[12日 ロイター] - バンク・オブ・アメリカ(BofA)グローバル・リサーチは、世界の原油指標であるブレント原油価格が反発し、早期に1バレル=90ドルを超える可能性があると指摘した。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策のハト派的な転換と、中国の経済再開の「成功」が背景にあると指摘した。
最近は世界経済の低迷が燃料需要を減らすとの懸念から原油価格は着実に下がり、2022年第4・四半期は2四半期連続の下落となる公算だ。
12日朝には1バレル=75.95ドルを付けた。
BofAはブレント価格が23年平均で1バレル=100ドルになると予測。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の中国の経済再開による石油需要回復や、欧州連合(EU)の制裁によるロシア産原油の日量約100万バレルの供給減も押し上げ要因になるとしている。
BofAは9日付のリサーチノートで、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の日量200万バレルの減産が全面的に実施されて価格を支える可能性があるとも記した。
ただ、「23年の石油需要と価格の予測は中国とインドの旺盛な需要増加が大きく左右し、アジアの経済再開が遅れれば予想価格の推移に影響を与える」と指摘。「中国での免疫レベルが低いことから」パンデミック後への道のりは険しくなる可能性があるとも言及した。