[ブリュッセル 13日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国が13日にブリュッセルで開催したエネルギー相会合では、欧州委員会が提案した天然ガスの価格上限額の詳細を巡り各国の意見が対立し、最終合意に至らなかった。19日の会合で再び合意を目指すという。
ドイツのハーベック経済相は数時間にわたる会合後、「進展はあったが、まだ合意には至っていない。全ての問題に答えられたわけではない」と述べた。
輪番制のEU議長国であるチェコのヨゼフ・シケラ産業相は、価格上限を巡り加盟各国が合意に達することができると好意的に見ており、いまだに解決されていない唯一の問題だと述べた。
ドイツ、オーストリア、オランダなどは天然ガスの価格上限が設定されれば欧州に必要な天然ガスの大部分が他の市場に流れ、エネルギー市場の機能が混乱すると警告する一方、ギリシャ、ベルギー、イタリア、ポーランドなどは自国の経済をエネルギー価格の高騰から守るために上限設定を求めている。
<新たな妥協案>
チェコは13日、新たな妥協案を作成した。これは欧州における天然ガス取引指標のオランダTTF期近物が3日間にわたり1メガワット時(MWh)当たり200ユーロを超え、かつ3日間にわたって液化天然ガス(LNG)の基準価格より35ユーロ高い場合に上限が発動される内容となっている。
この最新案は、欧州委員会が提案した275ユーロ/MWhの価格上限よりも低いが、一部の上限推進国はそれでも高過ぎると訴えている。
上限の推進派と反対派は、それぞれ合意を阻止するのに十分な票を持つ可能性がある。
その中でフランスが、最終的な決定権を握りそうだ。EU外交筋3人によると、フランスは当初、価格上限を支持していたが、先週になって金融市場への潜在的な影響に懸念を示した。