[ジュネーブ 15日 ロイター] - 国連貿易開発会議(UNCTAD)のレベッカ・グリンスパン事務局長は15日、スイスの事務局で記者団に対し、来年の食料不足を回避するためのロシア産肥料の輸出緩和協議で進展がありそうだと語った。
ロシアは、11月に黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意が延長された際、ロシア産肥料の輸出が言及されなかったことに不満を募らせている。
グリンスパン氏は、ロシア産肥料の輸出の少なさは、来年の食料不足回避において「大きな懸念事項だ」との見解を示し、「まもなく重大な進展があると、慎重ながらも楽観している」と発言。「ロシア産肥料の輸出は世界の食料安保の危機を回避するためには不可欠であり、輸出緩和に向けた努力は惜しまない」と説明した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、肥料として使われるロシア産アンモニアの輸出再開は捕虜の交換でのみ応じるとしており、この点が交渉の焦点となっている。
アフリカ向けロシア産肥料の第1便はベルギー、エストニア、ラトビアの港で止められている。国連は肥料がアフリカに到着するよう、世界銀行や国連世界食糧計画(WFP)と協力して枠組みを検討しているという。