[ワシントン ２０日 ロイター] - 米連邦議会が可決を目指している歳出法案の要約が２０日公表され、議会が義務付けた戦略石油備蓄（ＳＰＲ）からの売却を一定量取りやめることが分かった。
議会はこれまでの法律で、２０２４─２７会計年度に約１億４７００万バレルの石油売却を義務付けている。
法案の本文とともに発表されたウクライナ支援に関する補足法案の要約では「将来的に議会が義務付ける一定の売却を取りやめ、ＳＰＲ制度への技術的負担を軽減する」と記載されている。
無党派調査グループ「クリアビュー・エナジー・パートナーズ」は顧客向けノートで、法案の文言は約１億４０００万バレルの売却が中止されることを示していると説明。２３年度に約２６００万バレルの石油がＳＰＲから売却されることは維持しているという。
バイデン政権は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格高騰に対抗するためＳＰＲから１億８０００万バレルを売却した後、備蓄石油を買い戻し始めている。この売却により、ＳＰＲ水準は１９８４年以来最低の約３億８０００万バレルに縮小し、エネルギー安全保障への懸念が高まっている。