(英文の訂正により、第3段落の「第2・四半期」を「3月」に訂正します。)
[シンガポール 30日 ロイター] - アジア時間30日の原油先物は反発。年間でも小幅高となり、2年連続の上昇を記録する見通し。今年はロシアのウクライナ侵攻を受けた供給逼迫やドル高、中国の需要低迷で相場が大きく揺れた。
北海ブレント先物は0138GMT(日本時間午前10時38分)時点で0.44ドル(0.5%)高の1バレル=83.90ドル。米WTI先物は0.48ドル(0.6%)高の78.88ドル。
北海ブレントは年間で5.76%高の水準で、2021年の50.2%高に続く上昇。ロシアのウクライナ侵攻開始を受けて3月(訂正)に急騰し、2008年以来の高値となる139.13ドルのピークを付けた。
WTIは年間で4.5%高となっており、21年の55%高に続く上昇。
INGのアナリスト、エバ・マンタイ氏は「今年のコモディティー市場は供給リスクがボラティリティーの高まりと価格高を招いた異例の一年だった」と指摘。「来年も不透明感が強くボラティリティーがかなり高いだろう」と予想した。
年前半の相場上昇は下期に急速に勢いを失った。世界の主要中央銀行がインフレ抑制のために利上げを進め、米ドルが値上がりし、ドル建てのコモディティーがドル以外の通貨保有者にとって割高になった。
コンサル会社JTDエナジーサービシズのディレクター、ジョン・ドリスコル氏は「このところの渡航制限の緩和は原油需要を押し上げると期待されていたが、中国の新型コロナウイルス感染者の急増は世界に流行が広がる可能性について重大な懸念を生じさせた」と述べた。