[メキシコ市 9日 ロイター] - 米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は9日、ブラジルで8日に起きたボルソナロ前大統領の支持者らによる議会や大統領府などへの襲撃を受け、現在米国に滞在しているとされるボルソナロ氏の処遇を巡りブラジル政府からいかなる正式な要請も受けていないと明らかにした。ただ、要請を受ければ「通常通り真摯に対応する」とした。
サリバン氏は北米首脳会議が行われているメキシコ市で記者団に対し、ブラジルの民主的制度は維持されているもようとした上で、米当局はフロリダ州オーランド郊外に滞在しているとみられるボルソナロ氏と直接接触していないと語った。
またバイデン大統領がブラジルのルラ大統領と協議する見込みだが、時期については不明とした。
米国務省のプライス報道官は、ボルソナロ氏が米国滞在に必要なビザの状況について具体的なコメントを控えた。
同時に、ボルソナロ氏が米国入国に使用したとみられる国家元首や外交官に発給される「Aビザ」について、「一般的に政府の代表として米国で公務に従事している人に発給される」とし、そうした要件が変更となれば、30日以内に米国を出国するか、入国資格の変更を申請する義務があると説明。米国に滞在する根拠がなければ、米国土安全保障省による強制退去の対象になると述べた。