[ブリュッセル 16日 ロイター] - 欧州連合(EU)のエネルギー規制協力庁(ACER)は、域内の新たな液化天然ガス(LNG)の指標価格の策定に不可欠となる「参照値」を予定通り公表できない状態にある。市場参加者から十分なデータが集まらないことが原因だ。
EUは、現在のオランダTTFに代わる新たなLNGの指標価格を導入する方針。TTFは、ロシアが欧州向けのパイプライン経由のガス供給を減らした後で変動幅が非常に大きくなっており、新指標が登場すればLNG契約の基準としての有効利用が期待される。そのための第一歩が、ACERによる毎日の参照値公表だ。
ただACERは、公表開始予定の13日と16日のいずれも、算出に必要なデータを受け取ることができなかった。13日の場合、ACERに報告された9件の取引のうち参照値に取り込める条件を満たしたのは2件にとどまったという。
それでもEU欧州委員会の広報担当者は、新しいLNGの指標価格は昨年12月に加盟国が合意した規制の枠組みに沿って「次第に形成されていく」との見通しを示した。