[ロンドン 18日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は18日発表した月報で、中国の新型コロナウイルス規制解除を受けて、今年の世界の石油需要が過去最高を更新するとの見通しを示した。
ロシア産石油に対する価格上限の設定で供給が減る可能性があるとも指摘した。
IEAは月報で「ロシアの供給は制裁の全面的な影響で鈍化する。中国は、経済再開の形とスピードが依然不透明なものの、世界の需要の伸びの半分近くをけん引する」と指摘した。
経済協力開発機構(OECD)諸国では、産業活動の低迷と温暖な気候で石油需要が昨年第4・四半期に日量100万バレル近く減少した。
欧米は景気後退リスクがあるが、緩やかな景気後退になる可能性が高い。予想される中国経済の再開は、近隣アジア諸国の回復を促すとみられ、中国はインドに代わって石油需要の伸びが世界で最も高くなる見通しだ。
月報では「中国のロックダウン後の回復のタイミングとペースが2023年のGDPと石油需要の伸びの最大の原動力になる」と指摘。
一方、石油供給への主たる寄与は米国とし、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの産油国で構成するOPECプラスの生産量がロシアを筆頭に日量87万バレル減少するためと説明した。
IEAによると、昨年12月のロシアの原油生産は、欧州連合(EU)の船舶輸送による輸入禁止や、西側諸国の上限価格設定にもかかわらず、減少幅は日量20万バレルにとどまった。
昨年のロシアの原油輸出は5%足らずの増加で、価格はかなり低くなったという。