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世界の原油現物、大半が年初来上昇 中国の需要増や対ロ制裁で

発行済 2023-01-24 14:08
更新済 2023-01-24 15:01
© Reuters.  1月23日、世界の大半の原油現物市場は今年に入り価格が上昇している。写真は原油生産のためのポンプジャッキ。テキサス州 で2019年11月撮影(2023年 ロイター/Angus Mo

[ロンドン/ニューヨーク/シンガポール 23日 ロイター] - 世界の大半の原油現物市場は今年に入り価格が上昇している。中国はゼロコロナ政策の緩和により輸入の拡大が見込まれる上、対ロシア制裁により供給の逼迫が懸念されることが背景で、欧州や西アフリカ、米国など一部の地域では現物の価格差が拡大している。

北海フォーティーズ原油は年初時点では世界的な指標であるブレントの現物を0.92ドル下回っていたが、現在は0.30ドル上回る水準に上昇している。

西アフリカではナイジェリア産クアイボエ原油の販売業者が、1バレル当たりの価格をブレント現物より3.00ドル高い水準で提示。昨年12月よりも1ドル余り高い水準に設定した。ただ売却価格は提示価格を下回った。

アンゴラ産原油は昨年12月には低調な需要により過去2年余りで最低の水準に落ち込んでいたが、1月に上昇。トレーダーによると、昨年12月にブレント現物より0.80ドル低かったアンゴラ産ジラソルはブレント現物とほぼ同水準となった。

米国産もここ1週間半、強い内需と外需を下支えに、大方堅調に推移している。

高硫黄のマーズ原油は先週、米国産標準油種(WTI)先物より2.50ドル低い水準にまで上昇し、昨年11月17日以降で最高となった。WTIミッドランドは先週、米先物より1.70ドル高い水準まで値上がりし、昨年11月8日以来の高値を記録した。

米原油先物と北海ブレント先物の価格差は先週、1バレル当たり6.00ドルに拡大し、昨年12月1日以降で最大となった。

両先物の価格差拡大は、外国の買い手にとっての米国産油種の魅力を高めるため、米国産の需要を押し上げがちだ。

© Reuters.  1月23日、世界の大半の原油現物市場は今年に入り価格が上昇している。写真は原油生産のためのポンプジャッキ。テキサス州 で2019年11月撮影(2023年 ロイター/Angus Mordant)

一方、中東産原油は今月、潤沢な供給が相場を圧迫しており、プレミアムは低調に推移している。

だが中国の買い手は現物市場で買いを拡大している。中国石油化工(シノペック)のトレーディング部門である中国国際石油化工聯合(ユニペック)は今月、アラブ首長国連邦(UAE)アッパーザクム油田の原油を少なくとも17カーゴ、米国産原油を約VCLL(大型タンカー)3隻分、3月受け渡しのブラジル産原油を少なくともVLCC5隻分ほど購入した。

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