[キーウ 2日 ロイター] - 欧州委員会のフォンデアライエン委員長は2日、欧州連合(EU)とウクライナの首脳会談を控え、数十人の代表団を率いて首都キーウ(キエフ)を訪問し、軍事、経済、政治支援を確約した。
フォンデアライエン委員長は到着後、直ちにウクライナのゼレンスキー大統領と会談。ゼレンスキー氏は3日にEUのミシェル大統領と会談を行う。
フォンデアライエン氏はキーウで行った共同記者会見で「欧州は(ロシアによる侵攻の)初日からウクライナの側に立っている。欧州大陸の未来はウクライナで描かれている。これは権威主義体制に対する民主主義国家の戦いだ」とし、「われわれはウクライナに欧州の主要なプログラムへの参加を提案している。これにより、ウクライナは多くの分野で加盟国に近い恩恵を享受できる」と述べた。ただ、具体的な時期については明言しなかった。
ゼレンスキー氏は、EUの対ロシア制裁第10弾について協議したと述べた上で、「欧州による制裁のペースがやや鈍っている一方、テロ国家(ロシア)の制裁に適応するペースは上がっている」と指摘した。
ただEUは、EUとして訓練するウクライナ兵の数を年内に3万人に倍増させるほか、ウクライナがロシアから奪還した地域の地雷除去に2500万ユーロ(2750万ドル)を拠出すると確約している。
この日にキーウを訪問したEU代表団には外交、移民、農業、経済、司法担当の高官も含まれており、EU関係者によると、ウクライナへの兵器や資金の提供、ウクライナ製品のEU市場へのアクセス拡大、首都キーウのエネルギー支援のほか、侵攻を巡るロシア指導者の告発などについて協議した。
ウクライナのEU加盟について、EU当局者はこれまでに政治、経済の安定からさまざまなEU規則の採用に至るまで、多くの要件を挙げている。
ロイターが入手した共同声明案は、EUは昨年6月にウクライナを加盟候補国とした後、「一段の欧州統合」を支持するとの確約を強調し、全ての条件が「完全に満たされた」後にさらなる措置を決定するとしている。
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