[シンガポール 6日 ロイター] - 中国気象局は6日、極端な気象現象が今年新たに発生する事態に備えるよう全土に警告した。昨夏に記録的な猛暑と長期の干ばつで電力や農産物の収穫に壊滅的な打撃が生じたことを受けた。
同局の報道官はブリーフィングで、南部はより長い高温に備え、夏季の電力需要ピークに対応できるだけのエネルギーを確実に確保できるようにする必要があると指摘。一方、北部は大洪水に備える必要があると述べた。
また「現在、世界的な温暖化が加速しており、気候変動の影響により気候がますます不安定になっている」と述べた。
昨年6月には熱波が70日以上持続して収穫が打撃を受けたほか、湖や貯水池が渇水し、長江盆地全域にわたって壊滅的な森林火災が発生した。8月には過去最高気温を記録した気象観測地点が267カ所に上った。
南西部の四川省と重慶では降雨の大幅減少で水力発電所が発電抑制に追い込まれた。地元の産業は操業抑制を余儀なくされ、東部沿岸への送電も影響を受けた。
ブリーフィングに同席した政府専門家は、2022年通年の中国の平均気温は摂氏10.5度で平均を0.62度上回ったと説明。春、夏、秋の平均気温はいずれも過去最高を記録したと述べた。
また、昨年の平均降雨量は平年を5%下回ったという。