[ロンドン 14日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は14日発表した月報で、2023年の世界石油需要の増加見通しを日量232万バレル(2.3%)とし、前月の222万バレル(2.2%)から上方修正した。中国の新型コロナウイルス対策の緩和などが背景。
月報は「23年の石油需要増加の鍵を握るのは、中国の需要復活と、それが中国のみならず地域や世界に与える影響だ」と指摘。「中国の経済回復の深さとペース、その結果としての石油需要への影響が懸念される」と述べている。
OPECは23年の中国石油需要の増加幅が日量59万バレルになると予想。前月の日量51万バレルから上方修正した。22年は新型コロナ規制により、中国の石油消費量は数年ぶりに減っていた。
23年の世界成長率予想も2.5%から2.6%に引き上げ、楽観的見通しを示した。
好材料として、米連邦準備理事会(FRB)が米経済のソフトランディング(軟着陸)を実現できる可能性があることと、一次産品価格のさらなる低下を挙げた。
一方、経済成長および石油需要を抑制する可能性のある要因にも多く言及。東欧におけるさらなる地政学的緊張や、中国のパンデミック(世界的な大流行)を巡る国内の問題、および中国不動産部門からの影響が波及する可能性を指摘した。
OPEC以外の供給増加量見通しは日量140万バレルに引き下げた。前月は日量150万バレルだった。ロシアと米国の生産量見通しが低水準であることが理由。
ロシアは10日、西側諸国がロシア産石油・石油製品に上限価格を設定したことを受け、3月に石油生産を約5%、日量50万バレル削減すると述べた。
OPECはすでに23年のロシアの生産量減少を予測していたが、今回の月報では日量90万バレル減少すると予想。前月は日量85万バレル減少としていた。
同時に発表した1月のOPECの生産量は日量2888万バレルと前月比日量4万9000バレル減少。サウジアラビア、イラク、イランで生産量が減少し、他の地域の生産量の増加を相殺した。