[シンガポール 15日 ロイター] - 中国の製油最大手、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)と中国石油化工(シノペック)は、割安なロシア産ウラル原油の調達を再開している。両社は、欧州連合(EU)がロシア産原油の輸入禁止を開始した直前の2022年後半に、一時購入を停止していた。業界筋が明らかにした。
ペトロチャイナとシノペックは、大幅な割引価格で貿易会社からロシア産原油を購入するため、本社から許可を取得した。割安価格なため、製油会社が負担するコストが大幅に削減される上に、製油マージンを拡大できる。
貿易筋の話とリフィニティブおよびケプラーの船舶追跡データによると、ペトロチャイナは今月後半に、広西チワン族自治区欽州市にある製油所(日量処理能力20万バレル)で、2隻のアフラマックス船に積載した約150万バレルのウラル原油を受け入れる。
同製油所がウラル原油を最後に輸入したのは昨年10月と11月で、両月とも73万バレルだった。
事情に詳しい5人の関係筋によると、アジア最大の製油会社シノペックの貿易部門である中国国際石油化工(ユニペック)も輸入を再開する見通し。ただ購入量と納入先は不明。
3月積みウラル原油は、北海ブレントに対し、仕向港着船渡し条件(DES)ベースで約13ドル割り引いた価格で取引されている。2カ月前の割引価格は7ドルだった。