日経平均<.N225> 日経平均先物3月限<0#2JNI:>
終値 10292.63 (-63.36) 終値 10320 (-30)
寄り付き 10330.01 寄り付き 10330
安値/高値 10292.63─10340.84 安値/高値 10290─10340
出来高(万株) 108337 出来高(単位) 20388
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[東京 28日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は小幅に反落した。米株式市場
で堅調な値動きが続いたことや11月鉱工業生産指数が市場の予想通り6カ月ぶりの上昇
となったことから、底堅い地合いは継続。指数はマイナス圏で推移したが、相場は強い印
象という。セクター別では増資懸念の後退による大手銀行株買いが続いたほか、出遅れを
修正する動きから証券株が買われるなど金融株の買いが目立った。ただ、全般的には薄商
いで、東証1部の出来高は2年ぶりの低水準。
東証1部騰落数は値上がり721銘柄に対し値下がり754銘柄、変わらずが189銘
柄。東証1部の売買代金は7192億円。
27日の米国株式市場は、薄商いのなかダウ工業株30種<.DJI>は0.16%安だった
がナスダック総合指数<.IXIC>は0.06%高、S&P総合500種<.SPX>は0.06%
高。中国人民銀行による利上げの反応が薄かったことから東京市場は底堅い地合い。ただ、
商いは前日よりもさらに細り、出来高は2008年12月30日の8億5397万株以来
の低水準。売買代金は1月4日に記録した今年最低の7079億円とほぼ同水準の
7192億円にとどまった。
28日の上海総合株価指数<.SSEC>は0.5%安で寄り付き、その後も下げ幅を広げた
が、東京市場への影響は限定的。大手証券の株式トレーダーは「きのうの上昇には違和感
があったので、きょうはマイナス圏で推移しているものの、どちらかといえば強さを感じ
る」と述べた。同トレーダーは鉱工業生産が市場の予想通りプラスだったことを好感した
ほか、国内勢が年末年始の休暇で持ち合い解消売りが少なくなっていることも下げ渋りの
要因と指摘する。
経済産業省が発表した11月鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)
は前月比1.0%上昇の91.8で、6カ月ぶりの上昇となった。ロイターの事前予測調
査では前月比1.0%上昇と予想されていたが、発表数値は予想と一致した。生産予測指
数は12月が前月比3.4%上昇、来年1月が同3.7%の上昇となった。ただ、経済産
業省は生産の基調判断を「弱含み」で据え置いた。
後場もおおむね1万0300円付近で推移したが、引けにかけては下げ幅をやや広げた。
市場では「上海、香港株がさえない動きとなっていることや、為替市場で円が高止まりし
ていることなどを警戒している。ただ先物で1万0270―1万0300円までの買い注
文が厚く、大きく下振れる状況でもない」(大手証券)との声が出ていた。
セクター別の上昇率では金融株が上昇を占めた。増資懸念の後退を背景にみずほフィナ
ンシャルグループ<8411.T>、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井住友フ
ィナンシャルグループ<8316.T>の大手銀行株買いが継続。銀行株は前日の取引でファンド
や年金など海外勢の買いが観測されていた。また、野村ホールディングス<8604.T>など証
券株も出遅れ修正で買われた。
野村は今年度680円付近からスタートし、11月初旬まで下落トレンドが続いた。足
元530円付近を回復しているが、4月からは20%超低い水準で取引されていることか
ら、足元の安定した株式相場を背景に買いが入ったと指摘される。東京海上アセットマネ
ジメント投信シニアファンドマネージャーの久保健一氏は、年末から年度末にかけては出
遅れ修正が入りやすいとしながらも、野村株については「中長期的に成長力が乏しい」と
し、600円程度を上値のめどと見込んでいる。
(ロイター日本語ニュース 吉池 威記者)