[サラエボ 2日 ロイター] - ウクライナとポーランドは2日、ロシアがウクライナの電力インフラに対する攻撃を続ければ、欧州全体のエネルギー安全保障と経済が打撃を受けるとし、国際社会に対しロシアの原子力エネルギー部門に対する制裁措置の導入を呼びかけた。
ポーランドのアンナ・モスクワ気候・環境相はクロアチアの首都ザグレブで開かれたエネルギー会議で「ロシアの国際原子力機関(IAEA)の資格を停止しなければならない」と主張。「ロシアとのいかなる原子力協力も終わらせる必要がある」とし、いかに困難であっても次の対ロシア制裁に原子力部門も対象に含めなければならないと述べた。
また、ウクライナのザポロジエ原子力発電所がロシア軍の制圧下にあることは「経済、社会、安全保障に対する極めて大きな脅威」になっているとし、「隣国として何が起こるか常に分析している」と語った。
ウクライナのガルシュチェンコ・エネルギー相も同会議で「ロシアは原子力の安全性を全て破壊する」とし、「原子力分野でロシアを排除しなければならない」と述べた。
欧州連合(EU)はウクライナ全面侵攻開始から1年となった2月24日に第10弾の対ロシア制裁措置を承認。軍民両用(デュアルユース)製品に関する輸出規制の強化などが盛り込まれたが、一部加盟国の反対で原子力エネルギー部門は制裁の対象としなかった。