[ヒューストン 7日 ロイター] - 世界の大手石油・ガス会社の幹部は7日、ヒューストンで開かれたエネルギー業界の国際会議「CERAウィーク」でエネルギー市場の動向について、現時点では均衡を保っていると評価しつつも、不十分な生産余力やロシアのウクライナ侵攻に関連した供給面の不確実性により、容易に混乱に陥る恐れがあると警告した。
ノルウェーのエネルギー大手エクイノールのアンデルス・オペダル最高経営責任者(CEO)は「生産余力が非常に少ないため、供給のごく小さな変化が影響を及ぼす」と指摘。「市場がいずれかの方向に動くのは簡単だ」と語った。
投資会社グッゲンハイム・パートナーズのシニア・マネジング・ディレクター、マイケル・ラモット氏は「われわれはこの冬を驚くほど無難に乗り切ったのかもしれないが、先行き不透明な局面を脱したとは思えない」と発言。「状況は改善する前に悪化する可能性がある」と話した。
スイスのコモディティ商社ガンバーとクウェート石油公社のCEOを含む幹部らは、石油市場は安定化して均衡状態に到達しているため、この冬の原油、ガス、燃料の不足を巡る不安は解消されたとの見方を示した。
だが企業、消費者、政府が世界的な景気後退の可能性や金利上昇、中国経済の再開に伴うエネルギー需要の増大といった要因に対処する中、石油市場は今年、動向が読みにくくなると考えられる。
スペインの石油会社CEPSAのエグゼクティブ・バイスプレジデント、サッバス・マノウソス氏は、今年はマクロ経済要因やロシアからの供給動向を背景に「より厳しい環境になるだろう」と述べた。