[アンカラ 8日 ロイター] - ウクライナ産穀物の黒海軽油での輸出を可能にした国際合意の延長に向けたロシアの要求はまだ満たされておらず、トルコは合意延長を確保するために「非常に懸命に取り組んでいる」と、トルコ外交筋が8日述べた。
国連とトルコが仲介した「黒海穀物イニシアチブ」は昨年7月、ウクライナの3つの港から穀物を輸出することを可能にした。この合意は11月に延長されたが、再延長されない限り今月18日に失効する。
ロシアは合意延長にあたり、自国の農産物輸出を巡る障害が取り除かれる必要があるとしている。
トルコ外交筋は「トルコは黒海穀物輸出合意の延長に向け非常に懸命に取り組んでいる。交渉はまだ続いている」と指摘。「ロシアの懸念、ロシアが直面している困難はまだ克服されていない。ただ、トルコはあらゆる当事者間の合意に向け自国の役割を果たしている」と語った。
トルコのチャブシオール外相は先週5日、ウクライナ産穀物の輸出を可能にした国際合意の延長に向けて努力していると述べた。
国連のグテレス事務総長は8日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。黒海経由の穀物輸出に関するロシアとの合意の延長を巡り協議し、同合意の延長が世界の食料安全保障にとり重要かつ必要という見解で一致した。