[ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)理事会議長国と欧州議会の交渉担当者は10日、企業や家庭などで使用するエネルギーの総量である最終エネルギー消費をEUとして2030年に11.7%削減することで暫定合意に達した。EU理事会が声明で発表した。
声明によると、この目標はEUの最終エネルギー消費量の上限を石油換算で7億6300万トンとすることを意味する。この上限は加盟国を拘束する。
今後、理事会の常設代表委員会と議会のエネルギー政策担当委員会が暫定合意を承認した後、議会と理事会による正式採択が可能になる。
最終エネルギー消費量を巡っては、EUは21年にまず9%削減を提案したが、ロシアのウクライナ侵攻を受けてエネルギーの脱ロシア依存論が高まり昨年5月に削減率を13%に上げた。一方、欧州議会はそれより高い14%を提唱。一部加盟国は当初案の9%を主張していたが、11.7%で決着した。
加盟国は独自の削減目標を掲げることになる、EUとしての目標に達しなければ欧州委員会が是正を指示する。
合意は欧州議会と加盟各国で採決にかけられる。