[ワシントン １０日 ロイター] - 米ホワイトハウスは１０日、ロシアは旧ソ連のモルドバの不安定化を図っていると非難し、モルドバがロシアの試みに対抗できるよう情報共有やその他の支援を行うと表明した。
ホワイトハウス国家安全保障会議（ＮＳＣ）のカービー戦略広報調整官は記者会見で、モルドバのサンドゥ大統領はロシアによる軍事的脅威は差し迫っていないとの見解を示しおり、米国もそれに同意するとしながらも、ロシアがモルドバで親ロシア派の政権を樹立するために国の不安定化を図っているとするサンドゥ大統領の懸念を共有していると述べた。
その上で「モルドバが欧州との統合を進める中、ロシアはモルドバ政府の弱体化を試みており、最終的にはモルドバの首都にロシア寄りの政権を誕生させるようとしていると考えられる」と指摘。「具体的には、ロシア情報機関とつながりのあるロシアの関係者がモルドバ政府に対する暴動をあおるために抗議行動を演出し、利用しようとしている」と述べた。
米国は情報共有などのほか、モルドバに対し追加的に３億ドルのエネルギー支援などを行う。
ホワイトハウスによると、バイデン大統領は２月にワルシャワを訪問した際にサンドゥ大統領と会談し、モルドバの主権と領土保全に対する米国の強い支持を改めて確認。カービー氏は、米国は追加制裁も視野に、ロシアの行動を「明るみに出す」取り組みを続けると述べた。