[日本インタビュ新聞社] - (決算速報)
マルマエ<6264>(東証プライム)は3月30日の取引時間終了後に23年8月期第Ⅱ四半期累計業績(非連結)を発表した。豊富な受注残の消化で増収だが、市場が停滞傾向となり、稼働率の低下、労務費や減価償却費の増加などにより減益だった。そして通期も一時的な市場停滞や先行投資の影響などで減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率は順調だった。市場の在庫調整の影響は第3四半期がボトムの見込みとしており、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して戻り一服の形となった。目先的には第2四半期累計の減益を嫌気する可能性もあるが、調整一巡して出直りを期待したい。
■23年8月期2Q累計減益、通期予想据え置き、2Q累計進捗率順調
23年8月期第2四半期累計(22年9月~23年2月)業績(非連結)は、売上高が前年同期比7.0%増の42億40百万円、営業利益が21.1%減の9億27百万円、経常利益が22.0%減の9億13百万円、四半期純利益が23.1%減の6億44百万円だった。豊富な受注残の消化で増収だが、市場が停滞傾向となり、労務費や減価償却費の増加なども影響して減益だった。
全社の受注高は41.4%減の28億65百万円で、分野別の内訳は半導体分野が41.8%減の21億70百万円、FPD分野が74.7%減の2億57百万円、その他分野が197.7%増の4億38百万円だった。半導体分野は市場の在庫調整の影響で減少、FPD分野は市場停滞の影響で減少、その他分野は太陽電池製造装置部品の好調で大幅伸長した。
分野別売上高は、半導体分野が受注残の消化で5.4%増の31億59百万円、FPD分野が市場停滞の影響で46.3%減の4億19百万円、その他分野が太陽電池製造装置部品の好調で681.4%増の5億70百万円だった。
利益面では、特に第2四半期に売上が減少して稼働率が低下したことに加えて、受注損失引当金と棚卸評価損の増加、労務費や減価償却費の増加も影響した。
なお四半期別にみると、第1四半期は売上高が24億87百万円で営業利益が6億68百万円、第2四半期は売上高が17億53百万円で営業利益が2億59百万円だった。
通期業績予想(非連結)は据え置いて、売上高が22年8月期比1.3%増の87億円、営業利益が28.9%減の16億80百万円、経常利益が29.9%減の16億60百万円、当期純利益が33.9%減の12億円としている。配当予想は22年8月期比12円減配の36円(第2四半期末18円、期末18円)としている。予想配当性向は37.9%となる。
売上面は市場が停滞傾向でもシェア拡大などによって高水準に推移するが、設備投資増加に伴う減価償却費の増加や、人員増先行による利益率低下などの影響で減益予想としている。分野別売上高の計画は半導体分野が7.6%増の68億66百万円、FPD分野が50.3%減の7億66百万円、その他分野が2.1倍の9億21百万円としている。なお増産投資については市場動向に合わせて一部を先送りにする見込みとしている。
半導体分野については、23年1月以降に市場環境が急速に悪化し、想定以上の在庫調整と発注調整が行われているため、在庫調整は6月ごろまで継続する見込みとしている。重点施策として消耗品と新規客向けの受注拡大に注力する。FPD分野については、OLED G6が23年9月以降に再拡大見込み、OLED G8が23年11月以降に拡大見込みとしている。新品種獲得などでシェア拡大を狙う。その他分野は太陽電池向けの引き合いが急増しているため、FPD分野の余力も活用して営業活動強化や内製比率改善を推進する方針だ。
23年8月期は一時的な市場停滞や先行投資の影響で減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率は売上高が48.7%、営業利益が55.2%、経常利益が55.0%、当期純利益が53.7%と概ね順調だった。市場の在庫調整の影響は第3四半期がボトムの見込みとしており、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。
■株価は調整一巡
株価は地合い悪化も影響して戻り一服の形となった。目先的には第2四半期累計の減益を嫌気する可能性もあるが、調整一巡して出直りを期待したい。3月30日の終値は1849円、今期予想PER(会社予想のEPS95円03銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の36円で算出)は約1.9%、前期実績PBR(前期実績のBPS578円06銭で算出)は約3.2倍、時価総額は約241億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)