[国連 24日 ロイター] - グテレス国連事務総長はロシアのプーチン大統領宛ての書簡で、黒海経由の穀物輸出合意の「改善、延長、拡大を目指す道」を提案した。国連のファルハン・ハク副報道官が24日、明らかにした。
グテレス事務総長はこの日、ロシアのラブロフ外相とニューヨークで会談。ラブロフ外相にプーチン大統領に書簡を渡すよう依頼したという。
ハク副報道官によると プーチン氏宛ての書簡は「当事者がこのほど表明した立場と、世界の食料不安がもたらすリスク」を考慮したもので、同様の書簡はウクライナのほか、穀物輸出合意を国連と共に仲介したトルコにも送られた。
グテレス事務総長はラブロフ氏との会談で、穀物輸出合意に関してロシアが表明している懸念に留意した上で、これまでに得られた進展について詳細な報告を行い、残された問題に対処するために取り組みを続けるという国連のコミットメントを改めて表明したという。
タス通信によると、ラブロフ氏は書簡を精査する意向を示した。「事務総長は穀物合意のロシア関連部分をできる限り前進させるために行っている努力について語った」とした一方、「今のところ前進はあまり顕著ではない」と述べた。
ロシアは合意延長の条件として、ロシア農業銀行を国際送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)に復帰させるとともに、農機や部品の対ロ輸出許可、保険の制限解除などを求めている。
トルコのチャブシオール外相は同日、国内銀行がロシアへの支払い処理を支援する案をグテレス氏が先月下旬に提示したが、それらの銀行が制裁対象にならない保証を求めていると明らかにした。トルコ銀行協会が方法を検討しているという。