[ヒューストン/ロンドン 26日 ロイター] - 原油価格指標算出のS&Pグローバル・プラッツは6月渡し分から北海ブレント原油の「デイティッド」と呼ばれる指数に米WTIミッドランド原油を組み入れる。米原油が世界で最も重要な指標に大きな影響を及ぼすことになる。
「デイティッド・ブレント」は、現物やスワップ、インターコンチネンタル取引所(ICE)の先物などとともに「ブレント・コンプレックス」を構成。ブレントは全世界で取引される石油の75%の値付けに使用される。
ブレントはこれまで英国とノルウェーの北海油田で生産する5種類の原油が基準となっていたが、初めて域外の原油が組み入れられる。
CIBCプライベート・ウェルスUSのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「ブレントが米戦略石油備蓄の放出やパーミアンの生産など、米国のファンダメンタルズ(基礎的条件)に大きく影響されることになる」と予想した。
テキサス州などにまたがるシェール最大鉱区パーミアンで生産するWTIミッドランドは過去1年で、欧米の制裁対象であるロシア産原油に代わり欧州による輸入が増加している。
デイティッド・ブレントは原油バスケットの最も安い原油で決定する。商品市場のデータを提供するアーガスの幹部は、2つの主要な原油指標を統合するのも同然と指摘した。