[ブリュッセル 28日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国は28日、ロシアが侵攻したウクライナの経済を支えるため、同国から域内への輸入品に対する関税や輸入割当枠の全面停止を1年間延長することで合意した。議長国スウェーデンが発表した。
関税の全面停止は農業団体による不満を招き、ポーランドやハンガリーは今月初めに一部のウクライナ産穀物の禁輸に踏み切った。
ロシアが2022年2月に侵攻する以前も、ウクライナは大半の品目でEUによる無関税措置の恩恵を受けてきた。16年に導入されたEUとウクライナの自由貿易協定に基づき、一部には移行期間が設定された。
もっとも、EUはウクライナ産の食肉や乳製品、砂糖、一部の穀物などのセンシティブな農産品については、関税と輸入割当枠を残した。
EUの欧州委員会は、ウクライナに隣接する5カ国の農家に対する補償金の支払いと、ウクライナ産特定穀物の国内販売を禁止する一方、第三国への輸出のために自国内を通過することを認めるよう提案している。
欧州議会の貿易委員会27日、5月の本会議での投票を前に、関税停止の1年延長を圧倒的多数で支持した。
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