[ヒューストン 1日 ロイター] - 船舶追跡データやアナリストによると、4月の米国の原油輸出は予想を上回って増加した。中国の精製所が燃料需要の増加に対応するため輸入を増やしたことが背景にある。3月は日量450万バレルを記録していた。
ロシアのウクライナ侵攻により、欧州連合(EU)や英国、カナダ、米国がロシア産原油の輸入を禁止して国際的な原油の流れが変わり、2022年の米国産原油の輸出は21年から22%増えた。
最近では、世界第2の石油消費国、中国の経済回復の兆しで同国のロシア産石油の輸入が増え、新型コロナウイルス規制を解除した米国の旅行需要もガソリンやジェット燃料の消費を押し上げた。
調査会社エナジー・アスペクツの北米原油担当責任者、ジェンナ・デラニー(Jenna Delaney)氏は「現在、4月は平均で日量約400万バレルと想定しているが、上振れリスクがある」と指摘した。
ボルテクサの市場アナリスト、ロヒト・ラソド氏は、4月の輸出は「3月より日量で数十万バレル少ないだけだった。これは非常に驚きだ」とし、「輸出が400万(バレル/日量)を超える状態が続くとは予想していなかった」と述べた。
データ分析会社ケプラーとリフィニティブ・アイコンのデータによると、4月の中国向け輸出は日量約85万バレルと、20年5月以来の高水準になる見込み。一方、欧州や他のアジア諸国への輸出は減少した。3月の米国産原油の対中輸出は約2年半ぶりの高水準を記録していた。