[ドバイ 10日 ロイター] - スーダン国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の停戦を巡る協議がサウジアラビアで行われる中、スーダンの首都ハルツームでは10日も激しい衝突と空爆が続くなど、戦闘が激化している。ただ、複数の関係者は、軍とRSFが停戦合意に近づいているとの見方を示した。
住民によると、ハルツーム市内の複数地区で軍とRSFの地上戦があった。近郊のオムドゥルマン北部とバーリ東部でも大規模な銃撃戦があったという。
軍とRSFは先週末から、サウジの港湾都市ジェッダで米とサウジが仲介した協議を行っている。これまで何度も停戦合意が破られてきたため、交渉は停戦の有効性を確保し、人道援助を可能にすることに主眼を置いている。
仲介に関わる関係者は10日、交渉に進展が見られ、近く停戦合意がまとまる見通しだとロイターに明かした。協議に詳しい別の関係者も合意が近いと述べた。
ヌーランド国務次官(政治問題担当)はこの日、上院外交委員会で証言し、ジェッダでの協議に参加している米の交渉担当者らは「慎重ながら楽観的」だと述べた。
世界保健機関(WHO)によると、この戦闘で600人以上が死亡、5000人が負傷した。ただ、実際はもっと多いとみられる。
目撃者によると、市内には遺体が散乱し、ほとんどの病院が機能停止に陥っているほか、法秩序の崩壊で略奪が横行。食料や燃料も枯渇しつつある。