[ワシントン 10日 ロイター] - バイデン米政権で気候変動問題を担当するケリー大統領特使は10日、世界的な気候変動対策において農業生産から排出される地球温暖化ガスの削減が不可欠との見解を示した。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、世界の温室効果ガス排出に占める農業部門の割合は10─12%。学術誌「ネイチャー・フード」に掲載された2021年の調査によると、包装や輸送、廃棄物管理を含む食品システム全体では3分の1を占めた。
ケリー氏はワシントンで行われた気候関連イベントで「解決策の前面かつ中心に農業を据えなければ、温暖化ガス排出を実質ゼロ(ネットゼロ)にできないし、課題も達成できない」と発言。
農業部門の排出削減なくしては、気温上昇を1.5度以下に抑制できない可能性があると指摘した。科学者らは、温暖化の最悪の影響を回避するにはこの水準の抑制が必要としている。
バイデン大統領は、米国は2050年までにネットゼロを実現すると公約している。