[北京 12日 ロイター] - オーストラリアのファレル貿易相は12日、北京で中国の王文涛商務相と貿易障壁撤廃について協議したことに「満足している」と述べた。その上で、今回の訪問は関係安定化に向けた「一つのステップ」と付け加えた。
オーストラリアの貿易相の中国訪問は2019年以降初めて。2022年の労働党政権誕生後の中国との外交における緊張緩和が背景となっている。
中国は20年にオーストラリア産のワイン、牛肉、大麦、石炭、水産物、木材の関税引き上げなどで輸入規制を導入。オーストラリアが新型コロナウイルスの起源を巡り国際的な調査を呼び掛けたことで関係は悪化し、オーストラリア人記者が中国当局に拘束された。
ファレル氏は会談後の記者会見で「今回の訪問は関係を安定させるための新たなステップに過ぎない。私は中国との貿易・経済関係を正常化する道筋を作るためにここに来た」と述べた。
王商務相は、中国とオーストラリアの経済は非常に補完的であり、両国は経済・貿易関係の長期的な発展に焦点を当てるべきと述べたという。