[パリ 22日 ロイター] - ブラジル政府高官は22日、鳥インフルエンザワクチンの接種は必然的に貿易障壁につながるため、同国はこれを感染制御の手段として望まないと述べた。
ブラジルは世界最大の家禽(かきん)輸出国。22日にリオデジャネイロ州で確認された1件を含め、野鳥から高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が計8件確認されているが、家禽の感染はないという。
国際獣疫事務局(WOAH)のパリ本部で行われている総会に出席したブラジル代表は、「現時点でブラジルではHPAI感染はない。疫学的な状況が変化して最終的にワクチン接種を決定した場合、一定の貿易障壁にぶつかると強く感じている」と述べた。
感染が見られる国からの鶏・七面鳥の肉の輸入が禁止される中、ブラジルが世界の家禽肉と卵の供給に果たす役割は拡大している。同国の家禽に感染が起きれば、約100億ドル相当の鶏肉輸出が脅かされるとみられている。