[国連 22日 ロイター] - 国連は22日、黒海経由でウクライナ産穀物を輸出できるようにする、国連とトルコ仲介の合意(黒海イニシアティブ)で指定された輸出港の一つのピウデンニ(ユズニ)港について、5月2日以降、船舶が入港できていない状況に懸念を表明した。同港への航行申請が承認されていないという。
黒海イニシアティブは先週、ロシアの合意で2カ月延長された。
国連の報道官は、ピウデンニ港の問題に関与している関係者には言及しなかった。同港は、侵攻前はロシア産アンモニアの輸出港になっていた。ロシアは、合意延長の条件の一つに自国産食糧やアンモニアなどの肥料の輸出再開を挙げていた。
国連報道官によると、輸送船舶を管理する共同調整センター(JCC)ではウクライナへの航行申請17件を受理。7件がすでに承認されたが、ピウデンニ港行きの申請はこれまでのところ一件も承認されていない。「ピウデンニ港には5月2日から船が入っていない。このような事態を懸念しており、合意の完全運用を改めて呼びかけたい」と会見で語った。
合意の下でこれまでにウクライナの港から3000万トン超の食料が輸出された。その3分の1強をピウデンニ港が占める。