[ブラジリア 29日 ロイター] - 南米ベネズエラのマドゥロ大統領は29日、ブラジルの首都ブラジリアでルラ大統領と会談した。両首脳は米国の対ベネズエラ制裁を非難し、マドゥロ氏は南米首脳らによる制裁解除支持を求めた。
マドゥロ氏は30日にブラジリアで開催される南米11カ国首脳会議を前にブラジルを訪問した。同氏のブラジル訪問は2015年以来となる。
ルラ氏は米国のベネズエラ制裁を「極めて誇張されたものだ」と指摘、米国はマドゥロ政権の正統性を否定していると非難した。
マドゥロ氏は、新興5カ国「BRICS」グループの一員となることを望むと述べ、ルラ氏は個人的に支持すると伝えた。
ブラジルは右派のボルソナロ前政権下の19年、マドゥロ氏の入国を禁止した。23年1月に就任したルラ氏は入国禁止措置を解除し、マドゥロ政権との関係改善を進めている。
ルラ氏は共同会見で「われわれは歴史的瞬間を生きている。アマゾン地域を共有する隣国と何の対話もなくこれほど長い年月が過ぎたことは信じがたい」と述べた。
さらに、ベネズエラが直面する「900の制裁」やマドゥロ政権の正統性について米国などと議論したとし、「マドゥロ氏がベネズエラの大統領であることを否定するのは明らかに不条理だ」と述べた。