[アスンシオン 1日 ロイター] - 8月15日に発足するパラグアイ新政権の財務相に就任するカルロス・フェルナンデス・バルドビノス氏は、7月28日のロイターのインタビューで、経済構造多角化に向けて台湾からより多くの投資を呼び込む方針を明らかにした。
パラグアイは南米諸国で唯一台湾との国交を有する。4月に行われた大統領選では右派の与党が勝利し、台湾との関係を維持していくと表明している。
フェルナンデス氏は「われわれは大豆や食肉の生産を得意としているが、(経済を)多角化しなければならない。その手助けを台湾の民間セクターによる投資を通じてお願いする」と語り、8月のペニャ大統領就任式に向けて台湾企業経営者の代表団がパラグアイを訪れると付け加えた。
パラグアイの農業界は輸出拡大のため台湾より中国を重視するという野党側の考えを支持していたが、フェルナンデス氏は、中国がもたらすリスクが見えていないと指摘。パラグアイからの付加価値を生まない原材料輸出でも一部のセクターには都合が良いだろうが、経済社会を発展させる戦略として見れば、農産物という主要な輸出産業だけに依存し続けるのは得策ではないと強調した。
フェルナンデス氏は、パラグアイが早ければ来年1月にも国際金融資本市場で10億ドル近くの規模のソブリン債発行を計画していることも明らかにした。
調達資金は主に2024年予算の財源と、既存債務の返済に充当する。
パラグアイの昨年の財政赤字は国内総生産(GDP)比3%に拡大。フェルナンデス氏は、2026年かできるならそれ以前までに、この比率を1.5%に引き下げたいとしている。