[国連 2日 ロイター] - 欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は途上国に対し、ロシアが食料の供給制約や価格高騰の影響を受けている脆弱な国々に低価格での穀物供給を持ちかけ、意図的に新たな依存関係をつくりだそうしていると警告した。
ボレル氏は途上国と20カ国・地域(G20)に宛てた7月31日付の書簡で、ロシアが黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意に復帰し、ウクライナの農業インフラを標的にすることをやめるよう求める「明確で統一されたメッセージ」を発するよう訴えた。ロイターが2日に書簡の内容を確認した。
ロシアは先月に穀物合意を離脱後、黒海とドナウ川沿いのウクライナの港と穀物インフラを攻撃し、世界の穀物価格が急騰した。
ボレル氏はロシアが「自らつくり出した問題を解決するふりをし、脆弱な国々に2国間の安価な穀物輸出を持ちかけている」と指摘。
「意図的に食料を武器化し、経済的脆弱性と世界的な食料不安を悪化させることで新たな依存関係をつくりだすという他者を見下した政策だ」と非難した。
ロシアのプーチン大統領は先週のロシア・アフリカ首脳会議で、アフリカ諸国にウクライナ産穀物に代わる有償・無償の食料供給を行い、世界の食料安全保障で重要な役割を果たすと用意があると表明していた。