[ブリュッセル 2日 ロイター] - 欧州連合(EU)が計画している環境負荷の高い航空燃料への課税に向けた協議が行き詰まっている。環境負荷の低い燃料を安くし、化石燃料を割高にすることについて、加盟国の間で意見が割れている。外交官が語った。
EUは2003年から改定されていないエネルギー関連の課税を新たな気候変動対策の目標に合わせて全面的に見直している。ただ、EUの執行機関である欧州委員会が航空燃料税を提案してから2年、成立のめどはたっていない。EUレベルでこうした燃料への最低税率を導入すべきかなどの問題で意見が対立している。
ある加盟国の外交官は、「スペインが議長国であるうちに各国の溝が埋まることはないだろう」と指摘。スペインは年末まで議長国を務める。
EUの課税政策の変更は、全ての加盟国の承認が必要であるため非常に難しい。どの国も阻止することが可能だからだ。
計画では、欧州内でのフライトに使用する航空燃料への最低税率を10年間かけて徐々に引き上げる。持続可能な航空燃料は10年間課税されず、使用が推奨される。
一部の加盟国はこの計画で燃料価格が上昇すると警戒している。
EUはこの一年間で数多くの政策を承認し、気候変動を引き起こす二酸化炭素(CO2)排出を抑えようとしてきた。ただ、こうした政治的意欲は弱まりつつあるようだ。最近の環境関連法案を阻止または内容を弱めようとする動きも政府や議員の間で一部出ている。