Sudarshan Varadhan
[ヌサドゥア(インドネシア 26日 ロイター] - インドネシアのバリ島で24─26日に開催された世界最大の石炭国際会議「コールトランス」では、火力発電用に大量の石炭を求める中国と、最大輸出国インドネシアとの間で石炭の売買契約が次々と成立した。
会議を協賛したコールシャストラによると、今年は中国からの参加者が過去最多だった。中国と取引を結ぼうとするインドネシアの商社や鉱山企業の代表らが群れを成して会議に出席した。
インドネシアの石炭企業オムビリン・エネルジのラムリ・アーマド社長は「今回のコールトランスでは既に多くの取引が成立している。『うちは契約を結べるだろうか』という質問が寄せられているからだ」と語った。
調査会社ノーブル・リサーチが会議に提出した資料によると、中国の石炭輸入は今年、前年比1億トン増えて過去最大の3億2900万トンに達し、来年はさらに4900万トン増える見通しだ。
中国は昨今、不動産市場が低迷し経済成長が鈍いが、異常気象や他業界の経済活動によって電力および石炭の需要は増えている。
ロイターが取材した中国の業者6社は、気象の悪化により今年10─12月期に石炭輸入が増えると予想。うち5社は、来年は今年より輸入が増えるが、ノーブルの予想よりは少なくなるとの見方を示した。1社は、来年の方が今年より輸入が減ると予想した。
世界最大の石炭消費・輸入国である中国の需要が底堅く推移すれば、気候変動目標の下で予想されている世界の石炭利用のピークが後ずれしかねない、と業者らは語った。