Matt Spetalnick
[ワシントン 18日 ロイター] - バイデン米政権は18日、ベネズエラの石油・ガス部門に対する制裁を緩和した。ベネズエラのマドゥロ政権と野党勢力が次期大統領選を巡る協定に合意したことを受けた措置。
米財務省はベネズエラの石油・ガス生産と輸出を半年間認めるほか、国営金鉱会社との取引も許可する。また、同国のソブリン債や国営石油会社PDVSAの社債・株式の流通市場での取引禁止措置を解除する。
ただ米財務省は、仮にマドゥロ政権が野党勢力との協定に盛り込まれた約束を履行しなければ、許可を撤回するとくぎを刺した。
ブリンケン米国務長官はマドゥロ政権の合意を歓迎する一方、11月末までに大統領選の野党候補に対する立候補禁止の解除や、拘束されている政治家や米国人の解放に着手するよう求めた。
バイデン政権にとっては、ベネズエラに「最大の圧力」をかけたトランプ前政権の方針を転換し、エネルギーから移民に至る幅広い問題でマドゥロ政権と向き合う上で大きな一歩となる。
今回の措置でベネズエラに対する最も厳しい制裁は一部緩和されたものの、制限は他にもまだ残されている。米当局者は一段の制裁緩和について、マドゥロ政権が自由で公正な選挙に向けてさらなる重要な措置を取るかどうか次第だと述べた。
石油業界の専門家は、打撃を受けたベネズエラ石油部門に対する投資が大きく増加しなければ、同国からの輸出が主要産油国の減産などを相殺する可能性は低いと指摘。原油価格への影響は一時的にとどまるとの見方を示した。