[12日 ロイター] - シティ・リサーチは12日、供給過剰の懸念から2024年と25年の北海ブレント価格予想を引き下げた。ただ、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国でつくる「OPECプラス」の減産を背景に、24年は1バレル=70ドル以上の水準を維持すると見込んだ。
24年の予想は1ドル下方修正し74ドル、25年については10ドル引き下げ、60ドルと予想した。紅海での最近の動きを受けて中東情勢が一段と緊迫化する中、短期的にリスクプレミアムが上振れする可能性もあるとした。
「大きな供給混乱がなければ、市場のファンダメンタルズ(基礎的条件)軟化を受けてOPECプラスは24年第1・四半期の減産を通年で継続し、25年後半にようやく(減産幅)縮小を開始する」との見方を示した。
OPECプラスは昨年11月末、24年第1・四半期に日量約220万バレルの自主減産を実施することで合意した。
シティは25年について「減産延長にもかかわらず大幅な供給過剰が見込まれる」とし、「基本シナリオではブレントが70ドルを維持するのは一層困難になる可能性が高い」と指摘した。
OPECプラスが25年後半に減産幅縮小を開始した場合、世界の原油需給は日量平均120万バレルの供給過剰に転じる可能性が高いとした。