Muyu Xu
[シンガポール 16日 ロイター] - 中国の石油精製業者が、3月と4月に受け渡される原油の購入を積極的に進めている。相対的に価格が低くなった機会をとらえ、年後半に予想される需要増大を見越した在庫の再拡充に動いているためだ。複数の関係者が明らかにした。
中東情勢緊迫化にもかかわらず、国際指標の北海ブレント先物価格は1バレル=80ドル未満にとどまっており、買い手にとっては妙味がある。さらに中国政府が原油輸入と燃料輸出について業者に新たな割当枠を発出したことで、業者の原油購入と操業ペースが加速している。
ケプラーのアナリスト、ビクター・カトナ氏は「今年第1・四半期から第2・四半期は、夏に備えて在庫積み増しの動きが広がるだろう」と述べ、これは2023年のパターンの再現だと説明した。
中国は23年に大量の原油を購入し、在庫規模は10億バレル強と過去最大を記録。製油業者は7月終盤以降、この在庫を取り崩すことで、サウジアラビアの自主減産に伴う原油高の局面を乗り切ることができた。
ボルテクサとケプラーが集計したデータによると、先週の原油在庫は9億3300万―9億5100万バレルに低下した。23年第4・四半期に原油の精製活動が高まったことが影響した。
中国の製油業者と取引があるトレーダーの一人は「中国国際石油化工聯合(ユニペック)を筆頭に中国の業者は今月、急速に動き、輸送料金が高い米国以外の世界中から原油を買っている」と述べた。