Florence Tan
[シンガポール 29日 ロイター] - アジア時間の原油先物は1%上昇。資源商社トラフィグラのタンカーが紅海で攻撃を受け、燃料供給に懸念が高まった。また、ロシアの複数の製油所がドローン(無人機)攻撃を受けて修復中のため、同国の精製品輸出が減少するとみられている。
28日2341GMT(日本時間29日午前8時)時点で、北海ブレント先物は0.83ドル高の1バレル=84.38ドル。一時84.80ドルまで上昇した。米WTI先物は0.78ドル高の78.79ドル。
トラフィグラは27日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による前日のタンカー攻撃を受け、紅海航行の安全を巡るリスクを評価していると明らかにした。
ANZのアナリストは、供給混乱はこれまで限定的だったが、トラフィグラのタンカーへの攻撃を受けて26日に状況は変わったと指摘。「米英に関連する石油タンカーが攻撃の危険にさらされる中、市場は供給混乱のリスクを再評価するだろう」と述べた。
一方、市場関係者やLSEGの船舶追跡データによると、ロシアはバルト海と黒海の製油所で火災が発生した影響で、ナフサ輸出を約3割に当たる日量12万7500─13万6000バレル削減する可能性が高い。