Guy Faulconbridge
[モスクワ 8日 ロイター] - ロシアは8日、ウクライナ南部でロシア制圧下にあるザポロジエ原子力発電所をウクライナ軍がドローン(小型無人機)で攻撃したとし、欧州の核安全保障が危険にさらされていると改めて非難した。ウクライナは関与を否定している。
ザポロジエ原発を管理するロシアの当局者はロイターに対し、ウクライナが8日、自爆型ドローンで同原発を攻撃したと明らかにした。ドローンは原発の上空で撃墜され、6号機の建屋の屋根に落下したとした。
ロシア国営原子力企業ロスアトムは、ウクライナが7日にドローンで同原発を3回攻撃したと主張。ロシア大統領府はウクライナによるこうした攻撃は極めて重大な結果をもたらす恐れがあると非難している。
ウクライナ情報機関の当局者は、ウクライナは攻撃に関与していないとし、ロシアによる自作自演と示唆している。
国際原子力機関(IAEA)は、同原発に対し7日に3回のドローン攻撃があったと確認したと発表。ただ、誰が攻撃したかは特定していない。
IAEAは8日にあったとされる攻撃について現時点で公式にコメントしていないが、グロッシ事務局長は声明で「ザポロジエ原発が直面する原子力安全と安全保障上の危険の重大なエスカレーションだ」とし、「このような無謀な攻撃は大規模な原子力事故のリスクを著しく高めるもので、直ちに停止されなければならない」とした。
一方、ロシアのミハイル・ウリヤノフ在ウィーン国際機関常駐代表は「ウクライナ軍によるザポロジエ原発による最近の攻撃と挑発行為に関し」IAEA理事会による臨時会合を要請したと短文投稿サイトのX(旧ツイッター)で発表した。