[ロンドン 11日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が11日発表した2月の国内総生産(GDP)は前月比0.1%増と、市場予想の0.3%増を下回った。1月は前月比0.8%増だった。
部品不足に伴う自動車生産の低迷、悪天候による混乱、医療支出の減少などが背景。家計は生計費の上昇に身構えている。
キャピタル・エコノミクスの英国担当シニアエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は「2月の経済はほとんど成長しなかった。今後GDPが縮小するリスクが高まった。家計の実質所得への圧力が増している」と指摘。
パンセオン・マクロエコノミクスのサミュエル・トゥームズ氏は「GDP伸び率の見通しは短期的に弱い。イングランド銀行(英中央銀行)は来月1.0%に利上げした後は、利上げを停止するだろう」との見方を示した。
2月のGDPは新型コロナウイルス流行前の2年前との比較では1.5%増。
エコノミストは、エネルギー・商品価格高騰に伴うインフレ進行や新型コロナウイルス流行に伴う供給制約を理由に2022年の経済成長予測を下方修正している。
2月は旅行・観光などサービス部門が好調だった。鉱工業生産は前月比0.6%減。部品不足で自動車などの生産が減少した。