米連邦準備制度理事会(FRB)は29日から30日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。
会合を前にCNBCが43人のファンドマネジャー、エコノミスト、ストラティジストを対象にした調査結果によると、回答者のほぼ80%はFRBが今回のFOMCで追加利下げを実施すると見ている。
しかし、回答者の63%はFRBが10月の利下げ後、年内金利を据え置くと予想。
平均では次回の利下げは2月とみている。
しかし、回答者の40%は少なくとも2020年を通じて金利が据え置かれると見ている。
一部の市場関係者は、10月の利下げ後の追加緩和が経済を支援できる保証はないと指摘。
もし、超低金利または、マイナス金利が「万能薬」だとしたら、日本やドイツ経済はすでに6%成長に達しているはず。
景気後退入り寸前で推移しているはずはないと説明した。
回答者のほとんどは、経済が直面している重要な問題は貿易戦争で、関税の脅威が長期化する中、利下げによる効果はあまり望めないと悲観的。
米中通商交渉を巡り、回答者の83%が楽観的な結果を期待している。
関税の影響では、76%が消費関連消費の価格を押し上げると見ており、60%は世界経済の成長の重しになると指摘している。
景気見通しでは、米国経済が2020年に景気後退入りする確率を34%と見ており、2011年来で最高に達した。
保護主義貿易、世界経済の弱さが依然、景気を抑制すると警戒している。
景気見通しは2019年が+2.05%と、2018年2.9%から成長鈍化を予想しているほか、2020年には+1.76%へさらに鈍化すると予想。
2021年には+2.02%へ成長回復を見込んでおり、景気後退は基本的なシナリオではない。
回答者の60%は関税が世界経済の成長減速の主要因になっていると指摘。
関税により、2019年、2020年の成長見通しを引き下げたと回答した。
また、2020年に大統領選挙を控えて経済政策を巡り回答者の80%近くがウォーレン民主党大統領候補が提案している「wealth tax富裕税」に反対。
収益を押し上げ、税金逃れの動きに拍車をかけると警告している。
また、そのうち45%は富裕税が成長を押し下げる可能性を警告している。
著名投資家のポール・チューダー・ジョーンズ氏やスティーブ・コーエン氏は29日のイベントで、もし、2020年の大統領選挙でウォーレン候補またはサンダース候補が勝利した場合、S&P500種指数は25%近く下落する可能性を警告した。
■CNBC調査◎金利見通し10月利下げ:80%年内据え置き:63%2020年まで政策据え置き:40%◎景気見通し2019年:+2.05%(2018年2.9%)、2020年:+1.76%、2021年:+2.02%◎景気後退確率2020年に景気後退入りする確率:34%、2011年来で最高◎米中貿易協議83%が貿易協議での楽観的な結果を期待76%が関税が消費関連消費の価格を押し上げ、60%が関税は世界経済の成長減速に重要な要因となっていると指摘。
◎経済政策評価(得点10)トランプ大統領:5.5バイデン民主党大統領候補:4.7サンダース民主党大統領候補:2ウォーレン民主党大統領候補:2.5