■業績動向1. 2019年3月期第2四半期累計業績の概要ビジネス・ブレークスルー (T:2464)の2019年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比4.6%増の2,663百万円、営業利益が同19.7%減の247百万円、経常利益が同19.5%減の251百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同16.0%減の167百万円と増収減益決算となった。
売上高はマネジメント教育サービス事業が減収となったものの、A-JISを中心としたプラットフォームサービス事業の拡大により、8期連続で過去最高を更新した。
営業利益は、マネジメント教育サービス事業のうち、BBT大学/大学院の春期入学生が前年同期比で減少したことが減益要因となった。
売上総利益率が前年同期の51.9%から48.3%に低下したが、これは学校・園の運営・維持コストが売上原価に含まれるプラットフォームサービス事業の売上構成比が37.5%から42.6%に上昇したことが主因。
一方で、販管費率は前年同期の39.8%から39.0%に低下した。
実額ベースでも同2.5%の増加にとどまった。
販売費及び一般管理費の主な増減要因を見ると、減価償却費が30百万円増加した一方で広告宣伝費が6百万円減少した。
第2四半期累計での会社計画は開示されていないものの、マネジメント教育サービス事業の低調により、売上高、利益ともに若干下回ったものと思われる。
法人向けマネジメント教育サービス、プラットフォームサービスは好調持続2.事業セグメント別動向(1)マネジメント教育サービス事業マネジメント教育サービス事業の売上高は前年同期比6.2%減の1,332百万円、セグメント利益は同63.5%減の57百万円となった。
法人向け教育サービスは順調に拡大したものの、BBT大学/大学院の春期入学生が低調となるなど個人向け教育サービスの減少が減収減益要因となった。
一方、法人向け教育サービスは前期に引き続き大型案件を継続受注できたほか、営業体制の強化により既存顧客の深耕並びに新規顧客の開拓を推進したことが増収要因となった。
人材育成投資は企業の中でも重要な経営課題となっており、費用対効果の高い同社の遠隔型教育サービスの認知度が年々高まっていると見られる。
なかでも、リーダーシップ研修やイノベーション研修に関連したプログラムの引き合いが増加した。
同社の単独売上高に占める法人向け売上比率は前年同期の45.8%から51.3%に上昇し、売上高は同9.3%増の798百万円と過去最高を連続で更新した。
個人向け教育サービスでは、BBT大学大学院の春期入学生徒数が前年同期比42名減と減少したことが響いた。
2018年春、厚生労働省が実施している給付金対象プログラムの対象外になったことが影響したと見られる。
また、BBT大学についても同16名減と軟調に推移し、減収要因となった。
ただBBT大学については、教育の質の向上とともに志のある学生による健全な教育コミュニティの構築を目指しており、2018年3月期よりインターネット広告などのコマーシャルマーケティング施策を控えるなどしたものの入学者数の減少幅は会社計画範囲内の水準であったとみている。
なお、オープンカレッジについては増収となっている。
フルリニューアルして2018年4月よりサービスを再開した「問題解決力トレーニングプログラム※」が増収に寄与したほか、「リーダーシップ・アクションプログラム」や「実践ビジネス英語講座」等の受講者数も増加した。
※問題解決力トレーニングプログラムは、2001年の開講以来1.4万人以上が受講した主力コースで、2018年3月期はフルリニューアルのため募集を休止していた。
(2)経営コンテンツメディアサービス事業経営コンテンツメディアサービス事業の売上高は前年同期比5.8%減の139百万円、セグメント利益は同14.3%増の76百万円となった。
売上高は衛星有料放送サービスの契約件数減少により減収となったものの、管理体制の見直しによるコスト削減を進めたことで増益要因となった。
(3)プラットフォームサービス事業プラットフォームサービス事業の売上高は前年同期比16.4%増の1,118百万円、セグメント利益は同3.5%増の121百万円となった。
AJB三鷹キャンパスの立上げ負担増により利益率は低下したものの、スクール全体の生徒数増が前年同期の約800名から約940名と順調に拡大し、増収増益要因となった。
主力のA-JISは、国際バカロレアの全教育プログラム認定校としての認知度が向上するとともに、学習環境向上への継続的な取組み等が評価され、新年度スクールイヤー(2018年8月下旬~)の生徒数が518名(前年同期は454名)でスタートするなど増加基調が続いている。
また、Summerhill International(株)が運営する「サマーヒルインターナショナルスクール」についても前年並みでスタートしている。
一方、バイリンガルプリスクールについては、英語教育に対する関心の高まりや新拠点開設により、順調に拡大している。
「AJB晴海キャンパス」については、1~3歳児の入園申込みが高水準で推移したものの、年長組の退園者数(引越しによる理由)が例年よりも多く出たため、全体の生徒数は前年同期比7%減の125名前後となった。
また、「AJB芝浦キャンパス」については認知度の向上が進んだことにより、同2倍増の44名に増加した。
同キャンパスについては今後、通園エリアにおける人口増加が見込まれており、キャンパスの増床等により定員数を現在の58名程度から2倍に拡大したい考えだ。
「AJB早稲田キャンパス」は前年同期並みの94名で推移している。
2019年4月に開設した「AJB三鷹キャンパス」は1~3歳児を中心に滑り出しが好調で、生徒数は70名程度と当初計画を上回って推移している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)