6日の香港市場は値下がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比621.20ポイント(2.32%)安の26146.67ポイントと急反落した。
本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は271.14ポイント(2.53%)安の10456.93ポイントと大幅に3日ぶり反落。
売買代金は1194億6200万香港ドルにやや縮小した(5日は1326億2800万香港ドル)。
リスク回避スタンスが強まる流れ。
新型コロナウイルスを巡っては、欧州や米国など中国以外の主要経済大国で感染の増加ペースが拡大し、ヒトやモノの移動制限が強化されている。
世界的な景気下振れが懸念された。
アジア開発銀行(ADB)はこの日、感染拡大により世界の実質国内総生産(GDP)が0.1~0.4%押し下げられるとの試算を発表。
中国GDPの押し下げ幅は0.3~1.7%に達すると予測した。
ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(値下がり49、変わらず1)。
中でも、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が7.4%安で引け、値下がり率トップとなった。
同社は売り上げの8割弱を北米で稼いでおり、米景気の悪化が警戒されている。
このほか中国政府系インベストメント会社の中国中信(267/HK)が4.5%安、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が4.0%安と大きく下げた。
セクター別では、本土系の不動産が軟調。
前出の碧桂園に加え、華潤置地(1109/HK)が3.9%安、万科企業(2202/HK)と遠洋地産HD(3377/HK)がともに3.7%安で引けている。
新型コロナ感染拡大を背景に、2月の住宅販売が低迷したことが引き続き弱気材料。
中国人民銀行(中央銀行)などは先ごろ、「不動産を短期的な景気刺激の手段にしない」とする中央当局の基本方針を堅持する考えを示している。
空運も安い。
国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が3.6%、中国東方航空(670/HK)と中国南方航空(1055/HK)が2.6%、中国国際航空(753/HK)が1.9%ずつ下落した。
各国が入国規制を強化する中、航空需要が一段と落ち込むと懸念されている。
中国で旅行予約サイトを運営する同程芸龍HD(トンチェン・イ—ロン・ホールディングス:780/HK)も3.0%下げた。
半面、医薬品セクターは総じて堅調。
中でも、中国医療集団(チャイナ・ヘルス・グループ:8225/HK)が62.3%高と急騰した。
新型コロナウイルス感染症の治療で、同社関連企業の生産するHIV治療薬「リトナビル」が有効と確認されるなか、複数の国から引き合いが来ていると伝わった。
本土市場は5日ぶり反落。
主要指標の上海総合指数は、前日比1.21%安の3034.51ポイントで取引を終えた。
金融株が下げを主導。
セメントなどの建材株や不動産株、環境関連なども売られた。
半面、医薬品株は高い。
紡織株の一角も買われた。
【亜州IR】