ドル/円
正午現在 94.39/42 1.3518/21 127.63/65
午前9時現在 94.52/54 1.3492/97 127.54/59
NY17時現在 94.58/64 1.3502/06 127.73/78
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[東京 5日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点から
小幅安の94円前半で推移している。早朝に7カ月ぶり高値の94.78円をつけた後
は、実需売りや利食い売りからじりじりと94円前半に水準を切り下げた。ただ、3月米
雇用統計で雇用の改善を確認したことで市場のドル/円の先高観は強く、ここからの下値
余地は乏しいとの見方が多い。
オーストラリアがイースターマンデーで薄商いの早朝、ドル/円は94.78円まで上
昇して米雇用統計を受けた前週末の高値(94.70円)を小幅に上抜いた。しかし、そ
の後は本邦輸出企業や短期筋の利食い売りが先行してドル/円はじり安に転じた。
「東京時間は水準感から輸出企業など、実需の売りが先行している。投資家などのドル
買い観測は強いものの、この水準では急いでドル手当てに動くことはないだろう」(国内
銀行)との声が上がっている。
「95円付近ではオプション絡みの売りが出ることから上値に慎重になるなるなか、利
食い売りが優勢になっている。IMMのポジションなどを見てもドルロングがたまってお
り、ドル/円は利食い売りゾーンに入っている」(クレディ・アグリコル銀行外国為替部
ディレクター、斎藤裕司氏)との声も聞かれた。
ただ、ここからの下値余地は乏しいとの声が多い。「利益を確定したら売りは終わり
で、94円前半ではいったんもみあいそうだ。ドル/円は先高観が強く、下値では買いた
い参加者が多い」(クレディ・アグリコル銀行、斎藤氏)という。
<3月米雇用統計で雇用改善を確認>
3月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が事前予想を下回ったものの、「予想されて
いた国勢調査による政府の一時雇用が予想より少なく、民間での雇用者が多かったことで
内容は評価できる。米雇用の改善を確認した」(国内金融機関)と受け止められた。
これを受けて、市場では米国が異例の低金利政策に関する「長期間」との文言を変更す
る可能性を見込む声も出ている。大和総研・為替ストラテジストの亀岡裕次氏は「4月
27─28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で文言が変更される可能性がある」
とみている。
亀岡氏は「変更したからといってすぐに利上げするという意味ではなく、金融政策のフ
リーハンドを確保するという意味だが、時間軸効果ははく落し、ドル/円をサポートす
る。米長期金利は今後は4%をめぐる攻防が続くだろう」とみている。
<米「為替報告書」発表延期で人民元切り上げめぐる駆け引きに注目>
ガイトナー米財務長官は3日、4月15日に予定されていた「為替報告書」の公表を延
期し、中国が為替操作国に当たるかどうかの判断を先送りすることを明らかにした。中国
の胡錦濤・国家主席が12─13日に核サミット出席のため訪米すると発表しており、今
回の米国側の決定は人民元相場をめぐる両国の対立激化を回避するための措置とみられて
いる。
一方、中国からも人民銀行関係者を中心に人民元の切り上げに柔軟な発言が出てきてお
り、「人民元をめぐる局面が変化してきた」(国内銀行)との声が出ている。互いに落と
しところを探って間合いを計る局面に入りつつあるとの見方があり、胡錦濤・国家主席の
訪米前に先手を打つ可能性があるとみて、「場合によっては、今週中にも切り上げに向け
た動きがあってもおかしくない」(国内金融機関)と指摘する向きもいる。
一方「今週切り上げれば、やはり米国を意識して強要に負けた形になる。中国国内の条
件も整っていないとみており、今週の切り上げはないだろう」(大和総研、亀岡氏)との
声もある。亀岡氏は「中国も切り上げを全否定しているわけではない。米国は、対立を避
けて中国が独自の判断で切り上げるのを待つ姿勢を示したのだろう」とみている。
<IMMポジションは円ショートに転換>
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の取組(3月30日まで
の週)によると、ドルの対円でのポジションは円ロングから円ショートに転じている。
「マクロ系ファンドなどのドル買いが反映されている。円ショートは規模が大きく、ポジ
ション面からはいったん調整が入ってもおかしくない。しかし、今の地合いはドル/円の
買いで、調整一巡後は再び円売りから入ることになりそうだ」(クレディ・アグリコル銀
行、斎藤氏)という。
<急激なドル高は市場の歪み受けたロスカットの連鎖との見方>
草野グローバルフロンティア代表取締役、草野豊己氏は、このところのドル/円や日経
平均先物の上昇、国債先物の下落が速すぎると指摘。「金融市場に歪みが生じており、こ
れが円資産を組み込んだファンドなどにポジション調整を迫り、ロスカットの連鎖が起き
ている」とみている。
草野氏によると、海外勢にとって日本の存在感は低下しているが、アジア資産を運用す
る場合、流動性の高さから日経平均先物や国債先物が選好されており、円も他通貨売りの
際の受け皿として取引に組み込まれている。これまでの海外勢の基本ポジションは「円買
い/日経平均先物売り/国債先物買い」だった。公開資料でたどれる日経平均先物でみる
と、海外勢は1月にかけての上昇局面では現物株を買っていたが、このところの上昇で海
外勢が買っているのは先物が中心であることに同氏は注意を促している。
草野氏は「金融市場では、米GSE(政府系住宅金融機関)の債券などを米国政府の債
務とすべきとの声が出てきたことを受け、米国債に不透明感が出てきたことによる悪い米
金利上昇が起きかけており、これが金利のデリバティブを通じて金融市場全体にハレーシ
ョンを広げている。ドル/円の上昇もこれを受けたもので、米国景気回復によるドル買い
という見方は少し楽観的過ぎる」との見方を示している。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)
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