*12:30JST TDSE Research Memo(10):2024年3月期第1四半期は、通期予想と中期目標に向け順調なスタート
■業績動向
3. 2024年3月期第1四半期の業績
TDSE (TYO:7046)の2024年3月期第1四半期の業績は、売上高618百万円(前年同期比22.2%増)、営業利益38百万円(同6.9%減)、経常利益39百万円(同6.1%減)、四半期純利益26百万円(前年同期は0百万円)となった。
計画に対して売上高は好調に推移、営業利益、経常利益は減益ではあるものの、ほぼ計画線の進捗のようで、中期経営計画初年度は順調なスタートとなったようだ。
なお、四半期純利益の伸びが大きくなったのは、前年同期において特別功労金40百万円が特別損失に計上された反動が原因である。
コンサルティングサービスでは、一気通貫したサービスの提供を継続するとともに、デジタルマーケティングを活用した新規顧客開拓や既存顧客の深耕による「大規模×長期化」に努めた。
プロダクトサービスでは、自社開発を中心にプロダクトのラインナップ強化を進める一方、4月にOpenAI社のGPT機能を標準搭載した「Cognigy」の最新バージョン、7月には競合企業のSNSアカウント分析が可能な新製品「Rival IQ」の提供を開始、さらに8月、「NetBase」にOpenAI社のChatGPT機能を搭載したサービス「AISearch」も提供開始した。
この結果、売上面では、コンサルティングサービスで一部顧客に期初の様子見があったものの複数の主要顧客で「大規模×長期化」が進展した。
プロダクトサービスでは「NetBase」、「Cognigy」ともに新規顧客の獲得が進んだ。
特に「Cognigy」は、金融機関向けチャットボット構築案件の獲得もあって好調に推移した。
利益面では、人件費・採用費や案件増加に伴う外注費の増加により売上総利益率は低下したが、増収効果などにより販管費率は改善した。
結果的に第1四半期の営業利益は人材に向けた先行費用により減益となった。
なお、売上高の伸びが高くなっているが、第1四半期のためコンサルティングサービスからプロダクトサービスへの人員シフトが進んでいなかったことが要因で、今後人員シフトが進めば売上高も計画線に沿ったトレンドとなっていくだろう。
4. 中長期成長イメージ
以上のように、中期経営計画の第1フェーズ「MISSION2025」のスタートから売上高は伸び、先行費用で抑制気味となる利益も第1フェーズ後半には伸長するものと思われる。
セグメント別では、コンサルティングサービスは、顧客のネットワークの広がりを背景に案件数が増えるほどに上乗せがきいてくるうえ、あまり変わりないと考えられている単価も「大規模×長期化」によって上昇する可能性があると考える。
カギはやはり「大規模×長期化」に対応できるリーティング人材の確保ということになろう。
プロダクトサービスは、ソーシャルメディアマーケティング事業において、Xの有償化などを背景に「NetBase」への支持が高まるなか、「Rival IQ」によって機能の向上が進む見通しである。
カンバセーショナルAIソリューション事業では、「Cognigy」を中心にプロダクトの連携が増えるにつれ、AI接客の精度が向上していく見通しである。
いずれもプロダクトのラインナップ充実がカギとなるが、ストック型収益は蓄積することで収益化が進むため、大きく利益貢献するのは中長期目標の第2フェーズに入ってからということになると思われる。
第2フェーズはコンサルティングサービスとプロダクトサービスの合わせ技での成長に期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
3. 2024年3月期第1四半期の業績
TDSE (TYO:7046)の2024年3月期第1四半期の業績は、売上高618百万円(前年同期比22.2%増)、営業利益38百万円(同6.9%減)、経常利益39百万円(同6.1%減)、四半期純利益26百万円(前年同期は0百万円)となった。
計画に対して売上高は好調に推移、営業利益、経常利益は減益ではあるものの、ほぼ計画線の進捗のようで、中期経営計画初年度は順調なスタートとなったようだ。
なお、四半期純利益の伸びが大きくなったのは、前年同期において特別功労金40百万円が特別損失に計上された反動が原因である。
コンサルティングサービスでは、一気通貫したサービスの提供を継続するとともに、デジタルマーケティングを活用した新規顧客開拓や既存顧客の深耕による「大規模×長期化」に努めた。
プロダクトサービスでは、自社開発を中心にプロダクトのラインナップ強化を進める一方、4月にOpenAI社のGPT機能を標準搭載した「Cognigy」の最新バージョン、7月には競合企業のSNSアカウント分析が可能な新製品「Rival IQ」の提供を開始、さらに8月、「NetBase」にOpenAI社のChatGPT機能を搭載したサービス「AISearch」も提供開始した。
この結果、売上面では、コンサルティングサービスで一部顧客に期初の様子見があったものの複数の主要顧客で「大規模×長期化」が進展した。
プロダクトサービスでは「NetBase」、「Cognigy」ともに新規顧客の獲得が進んだ。
特に「Cognigy」は、金融機関向けチャットボット構築案件の獲得もあって好調に推移した。
利益面では、人件費・採用費や案件増加に伴う外注費の増加により売上総利益率は低下したが、増収効果などにより販管費率は改善した。
結果的に第1四半期の営業利益は人材に向けた先行費用により減益となった。
なお、売上高の伸びが高くなっているが、第1四半期のためコンサルティングサービスからプロダクトサービスへの人員シフトが進んでいなかったことが要因で、今後人員シフトが進めば売上高も計画線に沿ったトレンドとなっていくだろう。
4. 中長期成長イメージ
以上のように、中期経営計画の第1フェーズ「MISSION2025」のスタートから売上高は伸び、先行費用で抑制気味となる利益も第1フェーズ後半には伸長するものと思われる。
セグメント別では、コンサルティングサービスは、顧客のネットワークの広がりを背景に案件数が増えるほどに上乗せがきいてくるうえ、あまり変わりないと考えられている単価も「大規模×長期化」によって上昇する可能性があると考える。
カギはやはり「大規模×長期化」に対応できるリーティング人材の確保ということになろう。
プロダクトサービスは、ソーシャルメディアマーケティング事業において、Xの有償化などを背景に「NetBase」への支持が高まるなか、「Rival IQ」によって機能の向上が進む見通しである。
カンバセーショナルAIソリューション事業では、「Cognigy」を中心にプロダクトの連携が増えるにつれ、AI接客の精度が向上していく見通しである。
いずれもプロダクトのラインナップ充実がカギとなるが、ストック型収益は蓄積することで収益化が進むため、大きく利益貢献するのは中長期目標の第2フェーズに入ってからということになると思われる。
第2フェーズはコンサルティングサービスとプロダクトサービスの合わせ技での成長に期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)