■強み2. 労働環境ベルトラ (T:7048)の従業員数(2019年3月末時点)は本社143名(連結 228名)となるが、そのうち7割近くが女性となる。
女性の労働環境に配慮しており、在宅ワークを推奨。
平均稼働率は毎日10%以上が在宅で業務を行っている。
また、子育て世代も多く、産休後についても業務に復帰しやすく、キャリアを生かしながら労働時間なども配慮して働きやすさに努めているなど、ワークライフ・バランスにも配慮している。
創業から20年以上の歴史があるが、本格的な組織拡大はこの数年のこと。
現在現場で活躍しているのは、過去5年以内に入社した20~30代の若手社員となる。
なお、Great Place to Work® Institute Japan(GPTWジャパン:働きがいのある会社研究所)では「働きがいのある会社」調査の参加企業の中から、一定水準に達した企業を日本における「働きがいのある会社」(ベストカンパニー)として毎年発表。
この働きがいのある会社ランキングにおいて、同社は2017年、2018年、2019年で3年連続ベストカンパニーとして選出されている。
Great Place to Work®は、「働きがい」に関する調査・分析を行い、一定の水準に達していると認められた会社や組織を各国の有力なメディアで発表する活動を世界約60ヶ国で実施している専門機関。
カスバート・ロドニー氏の社外取締役就任によるインパクトは大きい3. 社外取締役にカスバート・ロドニー氏選任同社は2019年3月28日開催の第29回定時株主総会にて、社外取締役としてカスバート・ロドニー氏を新たに選任することを決議した。
結論から言わせてもらえば、カスバート氏を社外取締役に迎えることにより、欧米圏の会社の経営者を歴任してきた実績や旅行業界における幅広いネットワークに加え、その豊富な経験と幅広い見識に基づいて、「VELTRA」ブランドの更なる飛躍が期待されることになるだろう。
カスバート氏の経緯には相当な驚きがある。
1995年にシドニーで設立されたViator Inc.(以下、Viator)の創設者であるとともに元会長兼CEOを務めた。
Viatorは、世界初のオンライン現地体験ツアー予約専門サイトを開始し、以来マーケットリーダーとしての地位を確立している。
Viatorは、2014年に旅行業界大手のTripAdvisor Inc.に買収されているが、当時、Viatorは300万人を超えるサイト来客者と2万種類の現地体験ツアーを掲載するサービスに成長し、カスバート氏の尽力の結果、Expedia、Booking.com、British Airways、Lonely Planetなどの主要旅行ブランドとの提携を実現。
なお現在、ViatorはTripAdvisorの一部門として、年間10億ドル以上の売上高を生み出している。
またカスバート氏は、2012年から2018年にかけてメルボルンを拠点とするオンライン旅行会社Rome2rioの会長兼CEOを務め、その間に同社のオンライントラフィックを毎月3万から1,500万人を超える水準に増加させた。
カスバート氏は現在も、ARIVAL、WiT、Phocuswrightなどの主要な国際旅行カンファレンスにスピーカーとして出演するなど、業界において活躍し続けており、Magpie Travel等のスタートアップ企業の投資家としても活動をしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)