[ストックホルム 24日 ロイター] - スウェーデンのロベーン首相は24日、一部地域における新型コロナウイルスの感染ペースに懸念を示し、多くの人たちが数カ月にわたる警戒態勢を緩め、元の社会生活に戻りたくなっているようだと指摘した。
スウェーデンは大半の諸外国と異なり、強制的なロックダウン(封鎖)を避けてきた。個々人の責任に訴え、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を維持したり、衛生対策を強化するなどし、コロナを封じ込めるのではなく、感染ペースを鈍化させることを目指している。
多くの欧州諸国に比べて感染者ははるかに少ないが、ここ数週間、徐々に増加している。24日に確認された感染者は533人で、1日当たりとしては7月初め以来の高水準となった。
ロベーン首相は会見で、国民が感染の防止に対して気を緩めすぎていると指摘。「スウェーデンの状況は比較的安定しているが、一部地域で感染増加の兆候が見られ、懸念される」と述べた。
その上で、「春には警戒する姿勢がみられたが、それが徐々に抱擁やパーティー、混雑したバスに取って代わられ、元の日常が戻りつつあるようだ」と述べ、社会的距離などをも守るよう要請するとももに、必要に応じてより厳格な措置を取る用意があると警告した。
政府のコロナ感染症対策を率いる疫学者のアンデシュ・テグネル氏は記者団に、「緩やかだが、確実に誤った方向に向かっている。秋にみんなが職場復帰したときに起こり得ると議論していた事態だ」と述べた。