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英金融政策を左右する単一パスポート維持問題

発行済 2016-10-26 09:26
更新済 2016-10-26 09:33
 25日の欧米市場では英中央銀行の金融政策を巡る思惑でポンドを買い戻す動きが広がった。
英中銀のカーニー総裁は25日、上院委員会で証言し、「足元のポンド下落はかなり著しく、インフレが目標を上回る状況を許容するには限度がある」との認識を示したことが意識された。
カーニー総裁は次回(11月3日)の金融政策委員会の会合で最近のポンド安を間違いなく考慮すると述べた。


 カーニー総裁はポンド安の影響で2017年前半までにインフレ率は1.5%-1.8%まで上昇するとの見方を示しており、11月利下げ観測は大幅に後退した。
ただし、市場関係者の間では利下げ見送りとなってもポンド相場が大きく戻すことは難しいとの見方が多い。


 英国がEUから離脱し、EUに加盟している1つの国で事業の認可を得れば、ほかの加盟国でも金融サービスを提供できる免許制度(単一パスポート)が維持できない場合、国際金融センターとしてのロンドンの地位が大幅に低下すること避けられず、ポンド相場の先安観は急速に広がる可能性がある。
この問題を巡って英国内政治の混乱が懸念されており、ポンド売り材料になるとみられている。

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