■今後の見通し
● 2019年5月期の業績見通し
ドーン (T:2303)の2019年5月期通期の業績予想は、売上高で前期比5.3%増の880百万円、営業利益で同11.1%増の180百万円、経常利益で同10.2%増の183百万円、当期純利益で同11.4%増の127百万円と4年連続の増収増益を予想する。
クラウドサービスの利用料収入は既存顧客(自治体)の定常収入に加え、新たな契約の獲得に伴う増収を見込む。
受託開発に関してもクラウドサービスの新規契約に伴う初期構築売上が固く見込める。
2018年3月には、総務省から各都道府県の消防に対して「NET119緊急通報システム」の早期導入についての通知が出ており、普通交付税措置などのバックアップ体制も整ったため、各自治体において導入がさらに加速する可能性が出てきた。
また、全国的に自然災害が発生しているなか、同社のクラウド型災害情報システム「DMaCS」の有効性が検証されており、自治体での横展開が進む可能性にも期待が持てる。
■中長期の成長戦略
1. 災害救助犬による人の捜索を遠隔モニタリングするWebシステムを東北大学と共同開発
ドーン (T:2303)は、国立大学法人東北大学と、災害救助犬による人の捜索を遠隔モニタリングするWebシステムを共同開発した。
本共同開発は、災害現場で活躍する救助犬にタフ・ロボティクス(災害時の過酷な環境においても性能を発揮する遠隔自律ロボットの基盤技術を研究開発する取組み)を融合させたサイバー救助犬による被災者や行方不明者の捜索活動の可視化を目的としており、東北大学大学院田所研究室(田所諭教授、大野和則准教授)と同社が共同でシステムを開発し、実用化に向けた検証等を進めるものである。
現場に投入された複数の救助犬は、全地球測位システム(GNSS)、慣性センサー、ビデオカメラ、マイク等を搭載した行動計測スーツ(東北大学等により開発)を装着し、そこから収集される情報を遠隔モニタリングすることで、要救助者の正確な位置特定を支援し、救助までの時間の短縮等を図り、捜索現場の状況をハンドラー(犬に捜索の指示を与える人)等と共有することができる。
2018年6月に開催された「タフ・ロボティクス・チャレンジ」第6回公開フィールド評価会(内閣府のImPACT:革新的研究開発推進プログラムの一部)において、同システムの表示や操作性の良さについて、国内外のレスキューロボット分野の専門家から高い評価を獲得した。
今後、既に開発が進むドローンと組み合わせたシステムの実証実験にも発展させたい考えだ。
2. 鉄道向け走行動画閲覧・検索システムを開発
アイテック阪急阪神(株)(本社:大阪市福島区)と同社は、あらかじめ撮影した列車の走行動画や軌道内設備の状況等、鉄道沿線の保守や安全確認に関する情報を電子地図にリンクさせ、管理できる「走行動画閲覧・検索システム」を開発した。
このシステムは、走行動画(走行する列車の運転台等に設置されたカメラから沿線状況を撮影した動画)や、設備情報(駅・橋梁・信号等の管理情報や画像等)を、GIS(地理情報システム)上で管理することができ、GPS情報を基準に、走行動画・設備情報、スマートフォンで撮影した写真の検索や情報追加を行うことができる。
これらの機能は、同社のGIS基盤技術を採用し実現に至ったものであり、走行動画は、4K画像とパノラマ画像(バーチャル・リアリティ技術を活用し、視点切替えやズームアップ等が可能)等複数の形式の動画や、撮影時期の異なる同一箇所の動画をまとめて管理しておくことが可能である。
鉄道事業者では、安全確保や設備改良などの課題を、ICTを活用して解決する取り組みが進展することが期待される。
3. 災害情報システム「DMaCS(ディーマックス)」
このシステムは、災害時の被害情報を把握し、情報共有し、避難所・物資管理を目的とした自治体向けのシステムである。
パソコンやスマートフォンから位置情報付きの被害報告をスピーディーに入力・表示することができ、現場−本部間の伝達はリアルタイムチャット形式が可能である。
既に導入されている自治体では、この夏の水害・土砂災害において有効活用された事例も伝えられた。
今後も他の自治体への拡大が期待できる。
■株主還元策
ドーン (T:2303)は、安定的・継続的な株主還元を方針としている。
2018年5月期は、期初の配当予想は年4.5円だったが上方修正され年6円(前期比1円増配)となった。
配当性向は16.7%。
クラウド事業が軌道に乗った2016年5月期から3年連続の増配である。
2019年5月期も、増益予想を背景に普通配当6.5円(同0.5円増配)を予想する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
● 2019年5月期の業績見通し
ドーン (T:2303)の2019年5月期通期の業績予想は、売上高で前期比5.3%増の880百万円、営業利益で同11.1%増の180百万円、経常利益で同10.2%増の183百万円、当期純利益で同11.4%増の127百万円と4年連続の増収増益を予想する。
クラウドサービスの利用料収入は既存顧客(自治体)の定常収入に加え、新たな契約の獲得に伴う増収を見込む。
受託開発に関してもクラウドサービスの新規契約に伴う初期構築売上が固く見込める。
2018年3月には、総務省から各都道府県の消防に対して「NET119緊急通報システム」の早期導入についての通知が出ており、普通交付税措置などのバックアップ体制も整ったため、各自治体において導入がさらに加速する可能性が出てきた。
また、全国的に自然災害が発生しているなか、同社のクラウド型災害情報システム「DMaCS」の有効性が検証されており、自治体での横展開が進む可能性にも期待が持てる。
■中長期の成長戦略
1. 災害救助犬による人の捜索を遠隔モニタリングするWebシステムを東北大学と共同開発
ドーン (T:2303)は、国立大学法人東北大学と、災害救助犬による人の捜索を遠隔モニタリングするWebシステムを共同開発した。
本共同開発は、災害現場で活躍する救助犬にタフ・ロボティクス(災害時の過酷な環境においても性能を発揮する遠隔自律ロボットの基盤技術を研究開発する取組み)を融合させたサイバー救助犬による被災者や行方不明者の捜索活動の可視化を目的としており、東北大学大学院田所研究室(田所諭教授、大野和則准教授)と同社が共同でシステムを開発し、実用化に向けた検証等を進めるものである。
現場に投入された複数の救助犬は、全地球測位システム(GNSS)、慣性センサー、ビデオカメラ、マイク等を搭載した行動計測スーツ(東北大学等により開発)を装着し、そこから収集される情報を遠隔モニタリングすることで、要救助者の正確な位置特定を支援し、救助までの時間の短縮等を図り、捜索現場の状況をハンドラー(犬に捜索の指示を与える人)等と共有することができる。
2018年6月に開催された「タフ・ロボティクス・チャレンジ」第6回公開フィールド評価会(内閣府のImPACT:革新的研究開発推進プログラムの一部)において、同システムの表示や操作性の良さについて、国内外のレスキューロボット分野の専門家から高い評価を獲得した。
今後、既に開発が進むドローンと組み合わせたシステムの実証実験にも発展させたい考えだ。
2. 鉄道向け走行動画閲覧・検索システムを開発
アイテック阪急阪神(株)(本社:大阪市福島区)と同社は、あらかじめ撮影した列車の走行動画や軌道内設備の状況等、鉄道沿線の保守や安全確認に関する情報を電子地図にリンクさせ、管理できる「走行動画閲覧・検索システム」を開発した。
このシステムは、走行動画(走行する列車の運転台等に設置されたカメラから沿線状況を撮影した動画)や、設備情報(駅・橋梁・信号等の管理情報や画像等)を、GIS(地理情報システム)上で管理することができ、GPS情報を基準に、走行動画・設備情報、スマートフォンで撮影した写真の検索や情報追加を行うことができる。
これらの機能は、同社のGIS基盤技術を採用し実現に至ったものであり、走行動画は、4K画像とパノラマ画像(バーチャル・リアリティ技術を活用し、視点切替えやズームアップ等が可能)等複数の形式の動画や、撮影時期の異なる同一箇所の動画をまとめて管理しておくことが可能である。
鉄道事業者では、安全確保や設備改良などの課題を、ICTを活用して解決する取り組みが進展することが期待される。
3. 災害情報システム「DMaCS(ディーマックス)」
このシステムは、災害時の被害情報を把握し、情報共有し、避難所・物資管理を目的とした自治体向けのシステムである。
パソコンやスマートフォンから位置情報付きの被害報告をスピーディーに入力・表示することができ、現場−本部間の伝達はリアルタイムチャット形式が可能である。
既に導入されている自治体では、この夏の水害・土砂災害において有効活用された事例も伝えられた。
今後も他の自治体への拡大が期待できる。
■株主還元策
ドーン (T:2303)は、安定的・継続的な株主還元を方針としている。
2018年5月期は、期初の配当予想は年4.5円だったが上方修正され年6円(前期比1円増配)となった。
配当性向は16.7%。
クラウド事業が軌道に乗った2016年5月期から3年連続の増配である。
2019年5月期も、増益予想を背景に普通配当6.5円(同0.5円増配)を予想する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)