[ロサンゼルス 21日 ロイター] - 米物流大手フェデックスが20日に発表した第2・四半期(9─11月)決算の減益が市場予想より小幅にとどまったことで、アナリストらからは同社の約40億ドル規模の経費節減計画の効果を評価する声が聞かれた。ただ、経済の不確実性を考えると同社にはもっと大胆な経費削減が必要だとの指摘もあった。
シュティフェルのアナリスト、ブルース・チャン氏はリポートで「フェデックスは出血を食い止めた」と評価。その上で「今後やるべき仕事はなお多い」と記した。一方で、経費削減をやり過ぎると将来の業績拡大のリスクになりかねないとも警告した。
フェデックスは経費節減に当たって貨物機の運航を減らし、事務所を閉鎖し、過疎地での日曜日の配達をやめ、貨物部門の人員も一時帰休させた。
モルガン・スタンレーのアナリスト、ラビ・シャンカー氏は顧客向けノートで、コスト削減により「市場環境の悪化からうまく逃れた」と評価した。
ただ、アナリストらは懸念材料も挙げている。電子商取引に起因する需要がコロナ禍前の水準に低減していることや、世界的な景気後退の脅威のほか、来年予定する過去最大級の送料値上げに顧客が不満を募らせるリスクだ。フェデックスが運送する顧客先には格安小売り大手ウォルマートなどが含まれる。ライバルの米UPSほど操業態勢がスリム化しておらず、利益率が劣る面もある。
一方でフェデックスは既に、多様な事業の集約や長期低迷の欧州事業の活性化などの計画概略を打ち出している。こうしたことから、同社による来年の利益予想を「利益が下げ止まりに向かう合図」と受け止めるアナリストもいた。